「Wishbone」展は、ローラン・モンタロンによる写真2点、映像、彫刻で構成されています。それぞれの作品は、私たちが世界を認識する上で「類似性」が果たす役割について喚起します。未知の状況に既知の響きを求め、さらにその世界が動き出すかのように夢見ることは、この類似性を探さずにはいられなかった私たちの感性について語りかけます。


エリザ、写真、2024年
「エリザ」は、2023年冬季欧州嵐シーズンの10番目の低気圧に与えられた名前です。この名前は、各国が協力して導入した嵐の命名システムに基づいており、人に付ける名前を自然現象に名づけることで、危険が迫る際の人類への効果的な情報伝達を目的としています。


ELIZA、写真、2024年
ドイツ系アメリカ人の計算機科学者ジョセフ・ワイゼンバウムが1960年代半ばに開発したプログラム「ELIZA」は、非指示的な心理療法士との対話を模倣し、ユーザーの発言を繰り返すことで会話を続けます。これは現代の対話型エージェントやAIシステムの先駆けであり、人間と機械のコミュニケーションにおける長年の研究と発展の道を開き、今日の技術基盤となりました。


PACE、映画、2009年
映画「Pace」は、手のひらの中で鼓動するコイの心臓を映し出します。この固定された映像はループし続け、心臓が永遠に鼓動し続けているかのような錯覚を生み出しますが、実際にはそれは体から引き離された心臓です。時間が無限に続くかのように感じられますが、映像が流し続けられることで次第に映像は劣化し、ぼやけていきます。

Whishbone、彫刻、2020年
鳥類の肩甲帯を形成するV字型の鶏の叉骨(さこつ)の蝋モデル。一部地域では「ウィッシュボーン」と呼ばれ、二人がこの骨を引っ張り合い、長い方を得た人の願いが叶うと言われています。